今から約130年前、1874年6月25日アメリカ・ペンシルバ二ア州のウイスクバレーで、かわいい女の赤ちゃんが産声をあげました。
そのベビーこそ、世界中を夢中にさせた偉大な可愛いキャラクター“キュ―ピー”の生みの親ローズ・セシール・オニ一ルです。
ローズが生まれた家は、父親が結婚のために建てたエメラルドコテッジと名付けられた家で、ローズの両親と2才上の兄、そしてメイドが住んでいました。
父親の名前は、ウィリアム・パトリック・オニール(以下パパオニールと呼びます)。出版と本の販売をする会社を経営していましたが、詩を愛し、クラシックにも精通すると共に、常に新しい世界に目を向けつづけているロマンチストでもありました。
母親は、アリス・オニール。結婚するまでは、公立高校の音楽の教師をしていました。教養豊かで美しい母アリスは、生涯にわたりオニール家のこころのささえであり、オニールを含め6人の子供を育てながらも音楽や読書にも時間を使ったと言われています。
ローズは彼女を「ミーミ」という愛称で呼び、生涯をとおして深く愛し続けました。
ローズが4歳の時、事業がうまくいかなくなったパパオニールは、さらなる夢を求めて西部ネブラスカに移住します。
長い幌馬車の旅でようやくたどりついた新天地、ネブラスカ平原での田舎暮らしは、農業をしたことのなかったオニール家の人々にとって厳しく、さらにオマハの町に移り住むことになりました。 |