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ローズオニール物語
 
 
Web連載 ローズオニール物語 第18話
繁栄と不況の時代・女性参政権運動
 
婦人参政権ポストカード 1915
1915年 婦人参政権ポストカード

第一次世界大戦は、アメリカにも大きな爪あとを残しました。戦闘機・武器などの製造の終了は大量の失業者を生みだし、退役軍人の多くは、戻って来たものの仕事が見つからず世の中は不況にあえいでいました。1920年のアメリカでは女性に参政権が与えられていませんでした。1860年代初頭から女性の地位向上を訴える運動がはじまっていましたが、特に第一次世界大戦で戦いをかげから支えアメリカの勝利に重要な役割をはたした女性に、男性と同じ選挙権を与えるべきという運動が盛んになりました。時代を代表する女性であったローズも、ぜひ運動に協力をとの声を受け、ローズは、「女性に参政権を」と書いた旗を持ったキューピーたちが行進するイラストと「お母さんに参政権を」の旗をもって赤ちゃんたちが行進するイラストを制作しています。女性参政権の運動ポスターもローズが描けば、ほのぼのとしかも明確に素直に趣旨が伝わるポスターになっています。これはローズが政治的な活動に参加した数少ない出来事といえるでしょう。

1920年代になると、アメリカ経済も上向きになり、自動車は町にあふれ、映画も普及、ラジオからは新しい音楽ジャズが流れていました。女性たちは髪を短かくボブスタイルにし(ローズが25年も前にしていたように)、ひざ上のスカートをはきだしました。ローリングツェンティと呼ばれた繁栄の時代です。新聞や雑誌は、たびたびローズのカラバスを、アーティストの天国として記事として掲載し、彼女をボヘミアンであると評しました。沢山の無名のアーティストがカラバスに居候し、ダンサーのためにローズはわざわざダンスホールを準備までするほどでした。恵まれない彼らの力になれることは、ローズにとって大きな喜びだったのです。しかし、金銭感覚にルーズな彼らは、近郊の農家などからいろいろなものを購入し、その請求はローズにまわってきました。ローズ自身もその家族も経理にはうとく、長年の間にそれらは膨大な数字に膨れていたのでした。

  婦人参政権ポスターと写真
 

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