ようやくローズは、カラバスでの生活を見直そうとしました。1932年、ローズは、60歳近くになっていました。長年カラバスに住み着いていた売れない芸術家たちに別れを告げる日、ローズはできるだけたくさんの食料と衣類をかれらに持たせました。そして数年後、パパオニールは亡くなり、彼の希望どおり南北戦争の老兵墓地で喪にふされました。ローズは、病の母のためにも、もう一度ボ二-ブルックにもどる事を考えはじめました。
1936年口-ズはママオニールの看病をするためボニーブルックにもどることを決心しました。ボニーブルックには、たくさんの少女時代の宝ものや家族の想い出がありました。たくさんの宝ものーそれは、子供時代の絵画やパパオニールの沢山の本、家族の写真。そして、その中には、ローズがヨーロッパ旅行の折に買ったナポレオンが所有していた2つの黄金の羽根の装飾がある椅子をはじめさまざまなアンティークがありました。三度ボニーブルックに戻ったローズ。しかし、確実に歳月は過ぎ、年をとらない不思議な人と呼ばれたローズにも、すこしずつ老いがしのびよってくるかにおもわれました。しかし、ローズの創作エネルギーは、常に体と心にみなぎり、新しい創作の予感にみちていました。(つづく) |